Office2003のVSTO環境を考える

Microsoft Office2003のVSTO開発を行うこととなったため、
その開発・利用環境を考えた時のメモ。


■利用イメージ

  • 開発:開発、ビルド、発行を担当
  • NAS:Officeファイル + dllなどを保管
  • ユーザ:NAS上のファイルを開き、作業を実施


イメージ図は下記の通り。


■環境整備
それぞれに必要な環境を整備。


1.開発

  • VisualStudio 2008 Professional

  下記の通り、Office2003の開発はVisualStudio2010での開発はできないので、注意。
  さらに、VisualStudio2008でも、Professionalエディションのみ開発可能(TeamEditionは除く)。
  MSDNライブラリ - Office ソリューションを開発できるようにコンピューターを構成する(VS2010)
  MSDNライブラリ - Visual Studio Tools for Office のインストール(VS2008)

  • Office2003 Professional (単体Excelなどでも可)

  サービスパック付を推奨されています。
  MSDNライブラリ - 方法 : Microsoft Office 2003 を対象とする開発用に Visual Studio Tools for Office をインストールする

  なくても開発はできますが、後述するセキュリティ関係の設定・確認をする際、
  GUIにて行うことができるようになりますので、あると便利です。
  このツールは「.NET Framework 2.0 SDK」に含まれますので、以下よりダウンロードします。
  なお、x86x64がありましたが、手元のWindows7x64は、x86SDKで動いています。
  .NET Framework デベロッパーセンター - .NET Framework2.0


2.NAS

  • 開発・ユーザがアクセスできる共有フォルダ

  作成したVSTO系アプリの発行先の共有フォルダを作成。


3.ユーザ

  • Office2003 Professional (単体Excelなどでも可)

  Standardエディションは無理(これが一番厳しい制限かも)。
  インストールオプションを「完全」としない場合は、
  「Visual Basic for Applications (VBA)」は確実にインストール。
  

  • .NET Framework2.0 以降

  LINQを使うなら、3.5以降。

  Office2003を完全インストールした場合は導入済のはず。
  なければ、以下を参考に手動ダウンロード(英語版でもOK)。
  MSDNライブラリ - 方法 : Office のプライマリ相互運用機能アセンブリをインストールする
  アセンブリ内容の一覧は以下。
  MSDNライブラリ - Office プライマリ相互運用機能アセンブリ

  • Office2003用Visual Studio 2005 Tools for Office Second Edition Runtime

  Office2003のインストール後にインストールする必要があるようです。
  MSDNライブラリ - 方法 : Visual Studio Tools for Office ランタイムをインストールする
  

  開発と同様の理由で挙げておきます。



■注意

  VisualStudioでの発行はできますが、ClickOnceは使えないようです。残念。
  使えるのはOffice2007以降のVSTO開発のようです。
  VSTOみちしるべ - ClickOnce を利用した Office ソリューションの発行とインストール、そして、署名について

  • 複数のOfficeをインストールした環境では利用できない(らしい)

  手元ではWindows7x64に2010と2003が、WindowsXPx86に2002〜2010があり、動作しています。
  ただし、公式サポートはないようです。
  ・MSDNライブラリ - 複数バージョンの Microsoft Office のソリューションの作成
  ・MSDN Blog Andrew Whitechapel - Why is VS development not supported with multiple versions of Office?
  ・マイクロソフト KB828956 - 複数のバージョンの Office を Office 2003 と併用することに関する情報

  • 共同開発の注意事項

  デバッグプロパティ、バージョン管理、セキュリティについてまとめられています。
  MSDNライブラリ - Office ソリューションの共同開発




■その他

  手元のWindows7x64やWindowsXPx86では、以下のフォルダにありました。

.NETのバージョン パス
2.0 %SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727
4.0 %SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319


  なお、詳しい使い方は以下を参照。
  MSDNライブラリ - コード アクセス セキュリティ ポリシー ツール (Caspol.exe)

  • MSDNライブラリでまとめられたもの

  方法 : Office ソリューションを実行できるようにエンド ユーザーのコンピュータを準備する (2003 システム)

  Mary Lee MSFT - Deploying Office Solutions to End User Computers

  • 詳しいBlogやフォーラム

  以下のBlogやフォーラムが頼りになります。
  ・松崎剛Blog
  ・VSTO みちしるべ
  ・こだかたろうです
  ・MSDN Blog - Office Development with Visual Studio (英語)
  ・MSDN Blog - Misha Shneerson (英語)
  ・Visual Studio Tools for Office フォーラム
  ・Googleグループ - microsoft.public.vsnet.vstools.office (英語)




調べれば調べるほど、Office2003ではなくOffice2010で
VSTO開発をしたいと感じるようになりました。