Aipoの稼働端末が変更となり、AipoのTomcatとIISを連携させる必要が出てきました。
のように、isapi_redirect.dll
を使う方法がありました。
ただ、色々と手間っぽいので他の方法を探したところ、
- ARR(Application Request Routing)を利用して IIS と Tomcat を連携する - 割と普通なブログ
- IIS7.x-Tomcat連携に関する注意点 « Xythos Japan Blog
のように、IISとTomcatをApplication Request Routing(以下、ARR
)で連携できそうでした。
そこで、IIS + ARRでAipoのTomcatと連携させた環境へ移行してみたので、メモを残しておきます。
環境
移行前
移行後
- Windows Server 2008 x64
- IIS 7.0が稼働済
- ポート
80
は使用済
- ポート
- 移行に伴い、以下が追加
- Aipo 7.0.2.0
- ポート
81
で動作 (http://ホスト名:81/aipo)
- ポート
- Web Platform Installer 5.0
- ARRのインストール時の依存関係解決のために使用
- ARR 3.0
- URL書き換えを使い、
http://ホスト名/aipo
でもアクセス可能に設定
- URL書き換えを使い、
- Aipo 7.0.2.0
なお、移行に伴い、Aipoのバージョンを最新の8.1.1.0
へとアップデートすることも考えました。
ただ、
- Aipo8以降、
http://ホスト名
でAipoは動作 - 今回は従来と同じく、
http://ホスト名/aipo/
で使いたい - Windowsの場合、そのあたりを変更する方法が今のところ不明瞭
より、今回はAipo7系のまま移行する方法を考えました。
移行先にAipoをセットアップ
ダウンロードファイル一覧 - グループウェア 「Aipo」 - OSDN より必要なファイルをダウンロード・インストールします。
今回はx64版の7.0.2.0が必要だったため、
aipo7020aja_win_x64.zip
をダウンロード・解凍し、インストール- インストール先は
C:\aipo\
を行いました。
あとは、http://ホスト名:81/aipo/
へアクセスし、Aipoのログイン画面が表示されることを確認します。
ARRのインストール
IIS7.0にはARRがインストールされていなかったため、以下よりARRをインストールします。
Application Request Routing : The Official Microsoft IIS Site
Web Platform Installer(以下、WPI
)がインストールされていない場合、WPIのインストールも求められます。
ARRは他と依存関係があり、そのあたりをうまく解決するのがWPIなため、WPI + ARRをインストールします。
ARRのセットアップ
まずはProxyを有効化します。
- IISマネージャーを起動
- ホームにある
Application Request Routing Cache
をダブルクリック - 右の操作ペインより、
Server Proxy Settings...
を選択 - 中央ペインの
Enable proxy
にチェックを入れ、右の操作ペインの適用をクリック - 「変更内容は正常に保存されました。」が右の操作ペインに表示されることを確認
続いて、Aipo接続のためポート80へアクセスした時にポート81のTomcatで動作させるため、URL書き換えの設定を行います。
- ホームにある
URL書き換え
をダブルクリック - 右の操作ペインより、
規則の追加
をクリック - 規則の追加画面で、受信規則の
空の規則
を選択し、OKボタンを押す
以下の内容を入力し、右の操作ペインの適用
を押します(がデフォルトとは異なる部分)。
項目 | 値 |
---|---|
名前 | Aipo |
要求されたURL | パターンに一致する |
使用 | 正規表現 |
大文字と小文字を区別しない | ■チェックする |
パターン | (aipo.*) |
アクションの種類 | 書き換え |
URLの書き換え | http://{HTTP_HOST}:81/{R:0} |
クエリ文字列の追加 | ■チェックする |
後続の規則の処理を停止する | □チェックしない |
なお、HTTP_HOST
などの規則の中で使える定義済変数は、以下に記載がありました。
URL Rewrite Module Configuration Reference : The Official Microsoft IIS Site
以上でIISやARRの設定は終了です。IISにサイトを追加する必要はありません。
あとはhttp://<ホスト名>/aipo
にアクセスして、Aipoのログイン画面が表示されます。
移行作業
上記でTomcatとIISが連携できたため、続いて移行作業を行います。
以下を参考にバックアップとリストアを行います。
バックアップ・修復方法(Windows版) - ドキュメント|無料グループウェア「アイポ」
旧端末でバックアップが終了すると、デフォルトでインストールした場合は、C:\aipo\dpl7020\backup
の下にディレクトリ(年月日_回数
)ができます。
続いて、新端末のC:\aipo\dpl7020\backup
ディレクトリへ、必要なバックアップディレクトリをコピーします。
コピー完了後にAipoマネージャを再起動すると、コピーしたディレクトリが見えるため、選択してリストアします。
なお、同日に2回以上バックアップした場合、201601011154_01
と201601011155_02
のようにディレクトリが複数存在する場合もあります。
ただ、中身を見てみると、
- mail\
- psml\
- version.txt
があるものとないものがありました。
存在しないディレクトリを使ってリストアしてみたところ、
古いバージョンのバックアップデータのため、バックアップに失敗しました。
が表示され、リストアに失敗したため、上記のものが存在するディレクトリを使うのが良さそうです。
あとは、http://ホスト名/aipo
へとアクセス・ログインし、データが復元されていることを確認します。
Aipoの設定ファイル書き換え
必要に応じてAipoの設定ファイルを書き換えます。
ユーザ一覧からログインできるようにする
Aipo7.0.2.0のデフォルトでは、ユーザ一覧が表示されません。
そのため、古いバージョンのようにユーザ一覧からログインする場合には、以下を参考に設定を行います。
ログイン画面の”ユーザー一覧から選択する|無料グループウェア「アイポ」
Aipo7.0.2.0では、C:\aipo\dpl7020\tomcat\webapps\aipo\WEB-INF\conf\JetspeedJResources.properties
のファイルとなります。
222-223行目あたりにあるaction.login.enable.select.userlist
をtrue
へと変更します。
# 変更前 # enable to select user list at login page # action.login.enable.select.userlist=false # 変更後:ユーザ一覧を表示する # enable to select user list at login page action.login.enable.select.userlist=true
休日カレンダーの変更
Aipoにはデフォルトで休日カレンダーが設定されています。
ただ、会社によっては営業日/休業日が異なるため、以下を参考に変更を行います。 【Aipo7】会社の創立記念日を祝日として登録したい|無料グループウェア「アイポ」
Aipo7.0.2.0では、C:\aipo\dpl7020\tomcat\webapps\aipo\WEB-INF\conf
ディレクトリにある、以下の2ファイルとなります。
holidays_default.properties
- デフォルトの休日カレンダー
- ここから祝日データを削除することで、祝日を稼動日表示にできる
holidays_user.properties
- ユーザ定義の休日カレンダー
- 会社独自の休業日設定を行える
以上で移行作業は完了です。