2/16にデブサミ2018の2日目に参加しました。
Developers Summit 2018
セッション資料は以下で公開されています。
デブサミ2018、講演関連資料まとめ:CodeZine(コードジン)
ここでは自分の感想やメモを残しておきます。誤りがあったらすみません。
目次
- 【16-E-1】もはや定番!?Kotlinの概要再確認と2018年の使い方!
- 【16-A-2】ヤフーを支える社内システム
- 【16-B-L】もしSIerのエンジニアがSRE本を読んだら
- 【16-E-3】加速するフロントエンドとPWA
- 【16-B-4】大規模サービスにおける価値開発の“これまで”と“将来” ~新たな“じゃらん”のチャレンジに関して~
- 【16-D-5】貴方のサービスを守る知財とは?~弁理士から見たAzure IP Advantageの考察~
- 【16-C-6】The Amazon Way~Amazonのソフトウェア開発~
- 【16-C-7】子育て・介護に向き合うエンジニアが技術に取り組み続けるために
【16-E-1】もはや定番!?Kotlinの概要再確認と2018年の使い方!
長澤 太郎 氏[エムスリー]
社内でKotlinもくもく会が開かれたこともあり、Kotlinの概要が知りたくて参加しました。
Kotlinの概要、バージョンアップとそので重要だと思われる項目がピックアップされていて、分かりやすかったです。
印象に残ったのは、Nullまわりの型に関してです。Kotlinでは
- Nullable
- NotNull
- プラットフォーム型
の順で、安全側に倒せるのでおすすめとのことでした。
【16-A-2】ヤフーを支える社内システム
伊藤 康太 氏[ヤフー]
資料:ヤフーを支える社内システム #devsumi 16-A-2
情シスに関する話を聞く機会はなかなか無く、気になったので参加しました。
印象に残ったのは以下です。
- 文化
- 社内システムを自分たちで作る文化
- 必要なら自分たちで作ってしまう文化
- 社内システムの歴史
- ファイル/DBでの連携から、REST APIでの連携へ
- アカウント認証はSSO
- 社員・部署情報はAPI化されており、必要な情報はすぐ取れる
- 社内システムを作りやすい
- 社員・部署情報はAPI化されており、必要な情報はすぐ取れる
- 社内システム例:エアコン管理システム
- Slackのような社内チャットツールもある
- ソースコードは社内に公開
- 改善が必要だと思えばがプルリクを投げられる
- 現在の社屋は、情シスがCADを使って図面から設計
- 新しい技術をいち早く使える
- 技術に関する知見を社内に溜め込める
- 使うだけではなく貢献する
- 自分たちが作ったいいものは、社外の情シスとも情報共有する
講演の中でも触れられていましたが、ベンチャー気質のある情シスであり、やりがいがありそうだと感じました。
まずは一つ作ってみませんかということで、何か作ろうかという気持ちになりました。
【16-B-L】もしSIerのエンジニアがSRE本を読んだら
安藤 知樹 氏[エーピーコミュニケーションズ]
資料:もしSIerのエンジニアがSRE本を読んだら
SRE本の概要を知りたくて参加しました。
O'Reilly Japan - SRE サイトリライアビリティエンジニアリング
印象に残ったのは以下です。
- 50%ルール
- 運用業務は50%以下、残りは生産性向上のための勉強にあてる
- 業務が変わらない時のリスク
- メンバーがくさる
- 特に変えていきたいと思っている人
- メンバーがくさる
- SREは、当たり前の業務に気づきを与えてくれる
- 自分の現状や経験を照らし合わせると、新しいものが見えてくる
講演を聞いて、やはりSRE本は良さそうだと感じ、読破したいなと感じました。
【16-E-3】加速するフロントエンドとPWA
竹馬 光太郎 氏
資料:加速するフロントエンドとPWA // Speaker Deck
最近話題になっていたPWA(Progressive Web Apps)がどのようなものかを知りたくて参加しました。
講演の目的が「パラダイムが変わるイメージだけを持ち帰ってもらう」であったおかげもあり、図などを使い分かりやすい説明でした。そのため、フロントに詳しくない自分でもイメージが浮かべることができました。また、フロントエンドに関して調べる時の良いとっかかりにもなりました。
また、PWAに関連して、Service Workerの話もありました。名前だけ知っていたので、Service Workerについてのイメージを持てました。
他に、講演の中で以下の書籍がおすすめされていました。
超速! Webページ速度改善ガイド ──使いやすさは「速さ」から始まる:書籍案内|技術評論社
Webページ速度については「ページが重いのは機能の重みであり、自分に必要な速度は何かを考え、削ってはいけないものを削らないようにする」と話していたのが印象的でした。
いろいろと技術的な話題が詰め込まれていたので、また資料を読み返して理解を深めようと思います。
【16-B-4】大規模サービスにおける価値開発の“これまで”と“将来” ~新たな“じゃらん”のチャレンジに関して~
坂東 塁 氏[リクルートライフスタイル]
「今までは開発に携わる社員は少なく、外部パートナーにお願いしていた」という環境に転職し、プロダクトオーナーとしてリーン開発を取り入れてどう変わっていったかの講演でした。
印象に残ったのは以下です。
- リーン開発化後
- 現場の決定を重視し、権限を与えた
- そのために、決裁者と年間計画について合意
- 削れるものは徹底して削った
- 日々の業務でも、自動化・フォーマット化を徹底
- エンジニアがパフォーマンスを発揮する方法を追求した
- 現場の決定を重視し、権限を与えた
- 転職直後の誰も助けてくれないぼっち感の状況
- それでも少しずつやっていった
- メンバーが助けてくれるようになった
- マネージャーがフォローしてくれた
- 外部の人のサポートを得られた
【16-D-5】貴方のサービスを守る知財とは?~弁理士から見たAzure IP Advantageの考察~
原田 貴史 氏[原田国際特許商標事務所]
普段生活では弁理士の話を聞く機会がないことから、せっかくなので参加しました。
主に特許に関する講演で、「特許とは」から特許の係争事例などが豊富に紹介されました。
印象に残ったのは以下です。
- 特許とは、国から与えられる権利
- 真似されると活力が無くなり、その結果国家が衰退
- それを防ぐために、国が保護するための仕組み
- アメリカ:トリプル賠償
- 制裁的な意味も含まれ、損害の3倍が請求される
- 特許はシンプルのほうが強力:回避しづらくなる
- 特許の取得企業
- 日本は0.03%の大企業が、特許全体の90%近い割合を占める
- 中国やアメリカとは事情が真逆
- 特許を取得することについて
- 大規模企業にとっての特許:市場の排他効果
- 小規模企業にとっての特許:ブランディング
- 体外的な広報や、相見積もりされる機会が減る等
- OSSだと著作権がOKになるけれど、特許はまた別の話
- 特許侵害のリスクもある
また、MicrosoftのAzure IP Advantageについても紹介がありました。
Azure上でアプリを作れば、
など、特許侵害のことを考えず、サービス開発に注力できるとのことでした。
知財面からクラウドサービスを選択するというのも面白い視点だなと感じました。
【16-C-6】The Amazon Way~Amazonのソフトウェア開発~
西谷 圭介 [アマゾン ウェブ サービス ジャパン]
Amazonの文化についての講演でした。Our Leadership Principlesという文化が根づいているのが伝わってきました。
印象に残ったのは以下です。
- フィードバックを早くするため、チームの人数を絞る
- Two-Pizza Team
- DevOpsを分けずに面倒を見る
- QAはチームの中で対応
- オンコールは順番で、24時間対応をする
- チームの中には役割があるものの、専任のOpsはいない
- 社内標準はあまりない
- 高い水準で維持するために、トレーニングや共有を細かく行う
- テストで重要なことは自動化すること
- テストはやればやるほど上達する
- 社内勉強会として、ランチボックスを持ち寄って技術を共有している
- 安易に妥協しないが、決定には全面コミットする
いろいろと学ぶことが多い文化でした。
文化に合わない人は採用しないということもあり、文化の質が維持できているのが感じられました。
【16-C-7】子育て・介護に向き合うエンジニアが技術に取り組み続けるために
阿佐 志保 氏[TIS]/横路 隆 氏[freee]/竹下 康平 氏[ビーブリッド]
近年、自分の身近でも幸不幸があったので、IT技術者視点での事例・知見を知りたくて参加しました。
自分の中では今回のデブサミで一番印象に残る講演であり、参加して良かったです。
阿佐 志保 氏
資料:リターンシップって知っていますか? // Speaker Deck
最近自分の時間をコントロールできていないことが多いので、共感するとともに、とても参考になりました。
印象に残ったのは以下です。
- 育児・介護などを担う、自分で自分の時間をコントロールできない社員 = 多様性のもと
- 多様性のある職場を目指しても、既存の仕組みを変えないことには、多様性のもととなる社員を活かせない
- 育児・介護には不幸のスパイラルがある
- 育児・介護の問題は、在宅・裁量労働でほぼ解決する
- 自分の時間を自分でコントロールできない人は、難易度が高いものをすべき
- リターンシップには雑談が大事
- 上司になんでも言う、家の事・仕事、関係なく言う
- 上司「成果は数字できちんと出せ、必要な物があれば相談しろ」
- 部下「ムリなものはムリ」と言う
- 上司になんでも言う、家の事・仕事、関係なく言う
- 時間がないなら、なるべく得意なことをやって、短い時間で効率良くやる
- キャラを目立たせるため、強み・弱みをアピール、専門性を高める
- 市場価値を高めることを怠らない
- 古いやり方を撤廃する
- マネジメントできる体制を作る
- 監視型マネジメントからより、難易度・重要度の高いマネジメントに変化させることが必要
- リモートワーク、Slack、Skypeを徹底的に使いこなす
- マネジメントできる体制を作る
横路 隆 氏
講演の途中で寝かしつけスケジュールのアラートが出ましたが、育児が現在進行形なのだとはっきり分かる出来事であり、それ以降の講演に重みが出たように感じました。
印象に残ったのは以下です。
- 一人で生後二週間の子どもを育てた
- 時間がなくなるので、色々と積極的に諦め、やらないことをしっかり決める
- 自炊
- 母乳
- ルンバや自動感想洗濯機、水回りはアウトソース
- スマートスピーカー便利
- だっこすると何もできないので、話すだけでOKなのはよい
- 授乳とかの生活ログを残しやすい
- 職場の雰囲気で育休が取れない現実もある
- freeeは取得している
- 特に、男性は積極的に取得している
- freeeは取得している
- 育児の社内コミュニティもある
- freeeに遊びに行けば、育休取った人の話も聞けるとのこと
竹下 康平 氏
前のお二人が育児というキラキラした方面であったのに対し、こちらは介護という重いテーマでした。
実際、自分も介護については詳しく理解できていないので、講演の最後にあった「介護とはなんだろう、と調べることから始める」をしようと感じました。
印象に残ったのは以下です。
- 介護業界
- テクノロジーは無く、人海戦術の世界
- 介護業界の人は、エンジニアとの接点がない
- 2050年になると、1人の老人を、1.2人で面倒を見る必要がある
- 統計的な推移なので、必ずやってくる
- 4割が老人
- 2020年だと、3割が老人
- ケアマネジャーがケアプランを作る(40種類のサービスを組み合わせる)
- 全部理解する必要はない
- しかし、理解しておかないと、全部言いなりになってしまう
- 介護は、知識を持っていない中で突然やってくる
- 現在は、ほぼほぼ離職するような環境
- 普通は介護しているとは気づかれない
- 気づいたら長期休みをとっていて、気づいたら退職している
- 介護で辞めるとはいえず、退職する社員を引き止められない
- 子育てとは違い、死ぬまで続き、死んでいくのを看取る世界
- 現在は、ほぼほぼ離職するような環境
- 介護はIT化が進んでいない
- エンジニアが対応すれば、今ならまだ何とかなる
- 対応している企業もある
最後になりましたが、今年もいろいろな話を聞くことができました。デブサミの関係者の皆様、ありがとうございました。